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③『バングラデシュで「オチビサンのお散歩バッグ」ができるまで』

「オチビサンのお散歩バッグ」も、マザーハウスさんのほかのバッグと同様、素材の調達から製造まですべての工程をバングラデシュで行っています。言葉も文化も異なる環境でのモノづくりには、やはり日本では考えられないような困難があるよう。そして、日本から遠くはなれた地でオチビサンのライバルとして立ちはだかったのはーー?



作り手のモチベーションを上げるのも私の役目

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バッグを作る環境として、日本とバングラデシュでは何が一番違うと思いますか。


山口 一定量を生産して品質も守れて、出来上がったものをお客様に届ける。これがモノづくりのゴールだとすると、バングラデシュでは、この一連のプロセスにどれだけ生産スタッフを巻き込めるかがキーなんです。なぜなら、彼らが「自分たちも作ったよ」って思わないと、品質は上がってこないから。なのでバングラデシュにおける私の役割は、デザイナーとしてモノを作るだけじゃなく、工程に関わる人全員にオーナーシップを持ってもらうための“火付け役”だと思っています。
だから今回のバッグも「これオチビサンだよ!」って、工場で働くスタッフ全員に見せましたよ。このバッグを私たちが作るんだよ、私たちにもそんな依頼がくるんだよ、って。そうやって、これから取り組むことに対してどんどん盛り上げていかないと、彼らのやる気が、そのまま製品の温度感として出るんです。やっぱり人の手で作っているものなので。

バッグ作りを通じて、
2つの国を繋いでいると実感する

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「オチビサン」を見て、生産スタッフの方々の反応は?


山口 なんていうのかな、もう今までの製品にはない笑顔と、明るさで。盛り上がり方がハンパじゃなかったです。みんなね、「これはドラえもんとどっちが人気なのか?」って聞いてくるんですよ(笑)。


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えーーっ。まさかここで「ドラえもん」が!


山口 そう(笑)。バングラデシュでもドラえもんは大人気で、「日本=ドラえもん」っていうイメージが浸透してるんです。彼らもみんな、ちょうど子どもの時にドラえもんを観ている世代で、さらに今は子どももいるので。なので私は「やっぱりドラえもんの方が人気あるけど、でもこれからどうなるか分かんないよ。自分たちのバッグ次第では分かんないよ!」って(笑)。そしたら、みんなどんどん乗ってきてくれて!
今回の赤白の裏地も、そもそもは彼らが「だったら、こういうのがあるかもしれないよ」って提案してくれたのが最初だし、「だったら探しに行こうよ」ってみんなの方から声を上げてくれたんです。こういうプロセスの一つひとつで「バッグを作ってるだけじゃないな」って常に思いますし、今回も、あらゆることを通じて日本とバングラデシュを繋いでいるって実感できて、すごく嬉しかったですね。みんな、本番はもっと頑張ってくれると思う!

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今回のバッグは、本当にあたたかな背景の中で作られているんですね。
本日はどうもありがとうございました。


お散歩バッグ(キャメル) お散歩バッグ(ブラウン)

8月以降のお届けになります。

8月以降のお届けになります。

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