オチビサン歳時記 第三回「土用の丑の日」 | MOYOCO ANNO

オチビサン歳時記 第三回「土用の丑の日」

オチビサン歳時記 第三回 〜土用の丑の日〜

各地で梅雨も明け、いよいよ夏本番!
夏バテしないように、
土用の丑の日にはうなぎを食べる方も多いことでしょう。
今年は7月24日と8月5日です。
でも、うなぎが苦手な人や、お財布にゆとりのない人もいますよね。
そんなあなたに、ナゼニがいいことを教えてくれますよ。

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土用は、旧暦にもうけられた雑節ざっせつの一つ。立春・立夏・立秋・立冬前の約18日間をさしますが、今では立秋前だけをさすことが多くなりました。「土用の丑の日」は、その18日の間にめぐってくる「丑」の日です。十二支は、年にかぎらず、月や日、時間や方位をしめすためにも使われるのです。

夏の土用は、暑さで体調をくずしやすい時期。食べ物を工夫して夏を乗り切ろうとする考えは昔からあり、力の出る土用餅(あんころ餅)や、栄養豊富な土用しじみを食べる風習は、今も各地に残っています。うなぎを食べるようになった起源には諸説ありますが、江戸時代の学者・平賀源内が考えたとする説が有名です。

源内は、蘭学、発明、絵画などさまざまな才能を持つ人でした。そんな彼に、うなぎが売れずに悩んでいたうなぎ屋が知恵を求めると、店頭に“本日丑の日”と貼り紙をするようすすめられたのだとか。そのとおりにしたところ店は大繁盛。ほかのうなぎ屋もまねをして、この日にうなぎを食べる習慣が広まったといわれています。その頃から、「丑の日に“う”のつくものを食べると夏負けしない」といわれていたのです。

オチビサンは、さっぱり味の「う」を見つけましたね。きっとこの先も元気に夏を過ごせるでしょう。そして、こんなにたくさんパンを食べられるパンくいは……夏バテの心配はなさそうです。

文/ かなだ たえ

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