①『マザーハウス山口さんがオチビサンに出会った!』

オチビサンと、バングラデシュで自然をモチーフにしたバッグ作りをしているマザーハウスさんが力を合わせて作った「オチビサンのお散歩バッグ」。デザイナーの山口絵理子さんに、オチビサンとの出会いからバッグができるまでのお話をうかがいました。周囲の人が“そっくり!”と話す、山口さんとオチビサンの共通点とは……?



「オチビサン」には私のことが書いてあると思った

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この企画がスタートした当初は参加を悩んでいたものの、「オチビサン」を読まれて参加を即決されたそうですね。具体的には作品のどんなところに共感しましたか?


山口 私はデザインを考える時、自分の目線を、モチーフとなる植物や虫たちと同じレベルに持っていって作業するんです。たとえば、銀杏がモチーフのバッグを作るとしたら、まず銀杏が納得するかどうか、ってことがすごく大事なんです。いつも“モチーフが怒らないかな”って思いながら作ってる。

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モチーフが納得するデザインを、と。


山口 そう。オチビサンも、いつも自然と対等にお話しして、友達になっているでしょ。そういう意味で「自分のことが書いてある!」と思いました。


小さい頃から自然が一番の友達

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なるほど。そうやって何気ないものの中にある価値や美しさに気づくのにも、技術が必要だと思います。山口さんが自然の美しさに気づけるようになったきっかけは何だったのでしょう?


山口 うーん……。意識したことがないんだよなあ。……ただ、小さい頃は公園が自分の居場所だったんです。公園で、とにかくずーっとアリ地獄作ってた!(笑)

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一同(爆笑)


山口 あとは毎日落とし穴をつくって「誰か引っかかれ……」って待ったりとか(笑)。小学生の頃から虫メガネが大好きで、小さいものや、観察することが好きでした。今でも砂とか葉っぱとか、石の模様を見るのも、集めるのも好きだし。

私にしかできないことを形にしたい

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では、そういった気付きを上手く表現できるようになったきっかけのバッグはありますか?


山口 「花びら」シリーズですね。はじめて、自然をモチーフにして作ったバッグでした。ある時に「花びらが舞いおちてきた時の人間の気持ちってどんなんだろう」って思ったことがきっかけで、まず花びらを解体して、それをそのまま型紙にトレースしていったんです。そうしたら、花弁のふくらみは容量のあるバッグを作るのにぴったりだし、花弁の曲線が作り出す有機的なシェイプは人の身体にすごくフィットするとわかって。花びらから色んなことを教えてもらったんです。
それに比べて最初に作ったバッグは、少し頑張り過ぎていたんです。今よりもっとカチッとしたデザインだったし、素材も芯材でピシッとのり付けされて、全然呼吸していなかった。そこで次のバッグは芯材も取って、すごくカジュアルな、リュックサックにもなるメッセンジャーバッグにしたんです。ちゃんとジュートが生きてるって感じで、そのバッグから“お客様の動きに合わせて寄り添うバッグ”という、今のマザーハウスの世界観が生まれたと思います。

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どうやってそのことに気づいたんですか?


山口 他のメーカーのバッグと並んでいるのを見た時に、じゃあこの頑張りの先にいったい何があるんだろうって思ったんですよね。なんで私はわざわざバングラデシュで、こんな苦労して作ってるのかな、って。バッグ作りを始めた頃は“目指せメゾン”というか、より高級感のあるデザインやブランドを目指してた。でもそうじゃなくて、ジュートでしかできないことをやろうと。そう、「オチビサン」にも、そういうエピソードがあったんですよ!
……ここです、『とりあえず 小さくないと できないことをして オチビは遊んだ』。 オチビサンは自分が小さいことに少しコンプレックスがあったんですね。だけど、小さいからこそできることを探そうって。
私も、女性ということもあり、バングラデシュのようなイスラムの国で最初はすごく舐められるんです。自分がもっと変わらなきゃと悩んだこともありますが、今は、私だからこそやれるコミュニケーションの方法があると思っています。だからこのエピソードにはすごく共感しましたね。

マザーハウス山口さんが選んだお気に入りの”オチビサン”
お散歩バッグ(キャメル) お散歩バッグ(ブラウン)

8月以降のお届けになります。

8月以降のお届けになります。

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